活性酸素が老化を招く

活性酸素が老化を招く・抗酸化酵素!

 活性酸素は、私たちが空気中から吸い込んだ酸素が体内で電子を一個失い不安定な状態になったものです。 酸 素という のは、モノを錆びつかせる強い酸化カを持っています。 硬い鉄でさえボロボロにする姿を想像できるでしょう。 その酸化カがさらに2倍、3倍になるのが活性酸素です。活性酸素 老化を招く

酸素を吸わないと生きることができません。
 私たちの体内では、つねに活性酸素が発生しているわけです。 ストレスで病気が発生する背景には、活性酸素の影響が大きいことがいわれています。

 本来なら体内で活性酸素が生じても、抗酸化酵素の働きですみやかに消去されますが、ストレス状況下にある と、抗酸化 酵素の主成分であるタンパク質とそれを補助する微量栄養素がどんどん消費されて、抗酸化酵素の能カが低下します。
 その結果、活性酸素が我がもの顔で、老化や病気の発生原因となるのです。

 体内で酸素消費が最も多い臓器はどこかというと、脳ではなく、肝臓です。 吸収した酸素の50%を肝臓が、脳は20%、腎臓は15%、その他 15%と いった割合で消費しているのです。
 したがって、肝臓での活性酸素の発生が最も多いことになります。

 体内の免疫システムは、この活性酸素の強カな酸化力を利用しています。 体内侵入して来た病原菌を排除する免疫細胞の一部が、活性酸素を式器と して利用 するのです。 これは、活性酸素の善玉としての顔です。

活性酸素が必要以上に過剰発生すると
 この活性酸素が必要以上に過剰発生すると、まるでジキルとハイドのうに、悪玉に変身してしまいます。 活性酸素は、免疫細胞や正常な細胞まで、細菌もろとも攻撃して傷つけ、暴走 化して押 さえが効かなくなるのです。 この活性酸素を過剰に発生させる原因が、偏った食生活とストレスです。

 過剰に発生した活性酸素は、細胞膜を突き破り、遺伝子(DNA)が格納されている細胞核まで攻撃して遺伝子を変異させてしまいます。 細胞膜は 不飽和脂 肪酸という脂質で構成されていて、異物から核を守る細胞のガードマンといわれています。 活性酸素はその不飽和脂肪酸を過酸化脂質に変え、ガードマンとしての機能を失わせます。 そして細 胞核まで簡単に侵入し、遺伝子に影響を与えてしまうのです。

抗酸化酵素ポリフェノールで活性酸素対策
 赤ワインに抗酸化作用で、赤ワインが動脈硬化を予防すると話題にもなりました。赤ワインに含まれるのはタンニンというポりフェノールで、同じものが緑茶や柿、バナナなどに多く含 まれてい る。

 赤ワインの抗酸化物質の一つポリフェノールは、色が鮮やかな野菜や果物にたっぷり含れています。含有量の多いものを積極的にとっていけば、活性 酸素の酸 化作用を抑えることができる。

 ポリフェノールといえば、ブルーべリーなどに含まれるアントシアニン、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれるイソフラボン、ココアやチョコレート などに含 まれるカカオマスポリフェノール、春菊やほうれん草などに含まれるケルセチンなどです。

 柑橘系の果物やキャベツなどに多く含まれるビタミンC、にんじんや小松菜、かぼちゃなどに多く含まれるβ-カロテンも、代表的な抗酸化物質なの で、毎日 の食卓に多く取り人れるよう心がけたいものです。バランスよく抗酸化物質が多く含まれた、食品を意識的にとることが大切です。

老化とは、どういことでしょうか。
 歳をとるにつれて身体の機能が衰えるこですが、この原因について 、活性酸素によって身体の細胞や組織が酸化して変質するためです。 体内で活性酸素は次のような影響を及ぼします。 遺伝子(DNA)を形成する核酸を酸化させて変質させ、がん細胞などを発生させ細胞膜に含まれる 不飽和脂肪酸を酸化させて、過酸化脂質を作り、細胞や組織を破壊をする老化色素といわれるリボフスチンを作ります。 活性酸素と老化 抗酸化酵素

 この強力な活性酸素を迎え撃つべく、体内で作られるスカベンジャーなどが準備されていますが、年齢とともに減ってしまいます。 自然界は多くの植物の中に抗酸化成分を持つものがあります。

 活性酸素と結びついて、害の少ない物質に変化させてくれるのです。 代表的なものに、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンなどがあります。 うまく食生活を工夫して活性酸素をなだめる食材を工夫しましょう。

活性酸素が体内に増えると、ガンが生じる危険性が高まるほか、血管の老化(動脈硬化)も深刻です。 血液中のLDLコレステロールが酸化され、 動脈壁に 蓄積しやすくなります。 日本人の死原因の第1位がガンで、第2位と第3位が動脈硬化に基づく、心臓と脳の血管障害であることを考えると、ストレスはまさに生命に関わる危険因子といえま す。

あなたは生命の切符をあと何枚持っていま すか?
 アメリカのあるお医者さんが、9才までに病気になった子供達の肝臓での遺伝子のテロメア(寿命を決める染色体)の長さを調べたところ、『45~57才までしか生きられない』とい う結果が 出たというので話題になったことがあります。

 人間の体を構成しているのが、約60兆個の細胞であることはすでにご存知のとうりですが、その細胞の一つひとつに細胞の核があり、その中に23 対の染色 体がそこに折たたまれているのが、生命の設計図といわれるDNA(遺伝子)です。 そしてそれぞれの染色体の端には、テロメアという回数券のようなものがついています。

 これは別名「生命の切符」とも呼ばれて、年々一枚ずつ、ちぎられていきます。

 通常ならば、この回数券は、125.6年あるとされています。 つまり人間は125.6歳までは生きられると生命の設計図にプログラミングされ ている、 というわけです。

 栄養不足や生活環境の厳し生活環境ならば、人間の寿命は短くなることでしょう。 世界一の長寿国の日本でさえ、男性78歳と女性82歳、生命の 設計図に は34年以上もたらないのです。 間違った生活習慣やストレスが原因ではないでしょうか。

 病気とわいえ、9才の育ち盛りのお子さんの寿命が57才までしかない! これは生命の回数券、つまりテロメアの切れるスピードが一般の人より ずっと早い ということを示しているわけです。 その後の調査の結果、その大きな原因は、体内で過剰に発生する活性酸素の害を防げない間違った食生活と微量栄養素の不足にある、ということが突き止めら れたということです。

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